アメリカでは、中小企業には、士気、意欲、組織構造、コミュニケーションの問題はないとされている。残念ながらそれは全くの間違いであって、錯覚にすぎない。
最低の士気は、ワンマン社長がいかなる反対も許さず、すべての意思決定を自ら行おうとする中小企業に見ることができる。最悪のコミュニケーションも、社長が自らの胸にすべてを納めているという典型的な中小企業に見られる。
中小企業では経営管理者の育成を容易にできるという考えも間違っている。大企業の方がはるかに有利である。大企業は経営管理者の育成を体系的に行うことができ、特に若い人に対しマネジメントの仕事の機会を与えることができる。
規模の大小は、企業の本質や事業のマネジメントの原則を変えはしないが、マネジメントの組織構造に対しては大きな影響を与える。そして規模の大小以上にマネジメントの組織構造に大きな影響を及ぼすものは、規模の変化すなわち成長である。
18章では、規模の大小と、組織構造、マネジメントの違いについて解説をしています。
最初に、よくある誤解についてです。
大企業に働く人は、企業の歯車となって単一の仕事を延々と繰り返すだけで良いが、小企業に働く人にはマルチタレントぶりが求められ、仕事は大変だが早く成長でき、有能に人物になれるといった誤解があることを指摘しています。
実際は、小企業にはそこに働く人たちは何も判断せずマネジメントをしない人たちがワンマン社長を取り巻いているという構造で、いつまでもマネージャーの育成もできないということも多く、やはり大企業の方が有利であるとしているのです。
2013/8/23