目標設定の重要性

事業は直感で行うことはできない。意思決定から結果が出るまでの時間的な間隔がきわめて長くなっている現代の経済においては、直感に頼るマネジメントは、許されざる贅沢である。

つまるところ、事業は目標を設定してマネジメントする必要があるということである。

目標なるものは鉄道の時刻表ではない。それは航海のための羅針盤である。それは目的地にいたる航路を指し示す。現実の航海では、嵐を避けるために予定の航路を何マイルも外すことがある。

事業の目標を達するには、障害物を避けるために迂回しなければならないことがある。障害物との正面衝突を避けて迂回することこそ、目標によるマネジメントにおいて最も重要なことである。

したがって、目標は常に点検する必要がある。

しかし、目標を設定することによって始めて、事業は晴雨、風向き、事故に翻弄されることなく、達すべきところに達することができる。

目標によるマネジメントについて触れられています。どのような目標が必要かについては第7章で詳しく見ていくことになります。

それに先んじて、目標についてはこの項で重要性について述べるとともに、それはどんな状況でも守らなくてはならない金科玉条ではなく、常に点検しわれわれの事業は何かという問いへの答えと異なるような状況が生まれたならば、勇気を持って修正をすべきだし、それをすることが事業のマネジメントなのだとしています。

そういう意味で目標は羅針盤であり、目標があってこそ正しい道を歩んでいることを確認できるとしているのです。

2013/6/8