資源と資金の確保はトップマネジメントの仕事である。その実行はそれぞれの機能別部門の専門家の仕事である。
大手小売業者のうち、シアーズのようにメーカーの開拓に体系的、計画的に取り組んでいるものはあまりなく、企業の多くは、資源の供給についてあまり心配していない。だがあらゆるメーカー、卸売業者、小売業者、公益事業者、運輸業者が、資源の問題を徹底的に検討する必要がある。
いかなる意思決定をするにせよ、その目標は、マーケティングやイノベーションに関わる目標の達成に必要な資源の確保にある。
設備計画も同じように重要である。しかし設備計画は、資源計画よりもさらに稀にしか行われていない。
設備は過小であっても過剰であっても危険である。間に合わせ的に作ってはならない。
もちろんそのためには資金計画が必要である。どれだけの資金を必要とするか、いかなる形で必要とするか、どこから調達するかを検討しなければならない。
しかし一般的には、企業のマネジメントは資金繰りが逼迫するまで資金の問題を気にかけようとしない。それでは満足な仕事をするには手遅れとなる。
あまりに多くの企業が、資金調達の問題について検討せず目標を設定しなかったために、成長できなくなり、マーケティングやイノベーションや生産性における優れた成果を台無しにしている。
事業の本体を動かしていくこれまでの3つの領域(マーケティング、イノベーション、生産性)で設定した目標を達成するために必要な資源(仕入れや生産設備)と資金について、整合性のとれた計画を立てなさいという部分の記述です。
そのどれもが、多くの企業ではまじめに考えられておらず、資金計画は資金繰りが苦しくなったときにしか考えていないマネジメントが多いと指摘しています。
そんなことでは成長する目標を立てたとしても実現は期待できないので、マネジメントとしては無責任だということなのでしょう。
2013/6/14