連邦型組織が、近代的な大企業にとって有力な構造原理として登場した主たる理由は五つある。
連邦型組織は、ビジョンと活動を成果に集中させる。
昔ながらの安易な事業に力を入れる危険性が小さくなる。利益の上がる事業の陰で利益の上がらない事業を維持する危険性が少なくなる。
目標管理が成果をあげられるようになる。一人の経営管理者が率いることのできる部下や部門の数は、管理の限界によって制約を受けることがなくなり、さらに広いマネジメントの責任範囲の制約を受けるだけとなる。
連邦型組織は、経営管理者の育成において絶大な力を発揮する。
連邦型組織では、かなり低い階層にいたる者たちにまで、独立して指揮する能力があるかを評価することができる。
連邦型組織は、組織全体の事業を独立採算的に分割し、それぞれの組織が独立して成果をあげられるようにしたものです。
したがって、分割されたそれぞれの組織が成果を上げることは事業の成果を上げることに一致するので、機能別組織のように部分最適に陥る危険性が少ないという特徴を持つことになるのです。
上記3の事例として、シアーズ・ローバックの組織を紹介しています。
「シアーズ・ローバックの地域担当副社長は、独立した組織単位としてマーケティングと利益に責任をもつ100の店舗をマネジメントする。そして各店舗の店長は、それぞれ独立してマーケティングと利益に責任をもつ30人の売り場主任を部下にもつ。したがって、最も下の階層の経営管理者すなわち売り場主任と社長との間には、店長と地域担当副社長の二つの階層しかない。」
この例のように、階層の数が少なくなることも連邦型組織の利点と考えられます。
2013/8/16