経営管理者の仕事には基本的な活動が五つある。
第一に、経営管理者は目標を設定する。経営管理者は目標が何でなければならないかを決定する。それらの目標の具体的なゴールを決定する。そして、その目標を達成するために何を行わなければならないかを決定する。
第二に、経営管理者は組織する。必要とされる活動、意思決定、関係を分析する。仕事を分類する。仕事をマネジメント可能な活動に分ける。それらの活動を作業に分ける。それらの作業をマネジメントすべき人を選び、それらの仕事を行うべき人を選ぶ。
第三に、経営管理者は動機づけを行い、コミュニケーションを行う。仕事に責任をもつ人をチームにまとめ、部下との関係を通じて仕事を行う。
第四に、経営管理者は評価測定する。測定するための尺度を設定する。そして仕事ぶりを分析し、評価し、解釈する。それら評価測定の意味と結果を部下と上司に伝える。
第五に、経営管理者は部下を育成する。
ここに記載された五つの活動は、「あらゆる経営管理者が共通して行う仕事」とされています。つまり、これ以外にもそれぞれのポストに特有の仕事があり、そのどちらも立派に行うことが期待されています。
列挙された五つの活動を行うには、それぞれ異なる能力を要求されますので、これらの能力を意識して磨いていく必要があります。
本セクションの中では、これらの活動に必要とされる能力についても記述されています。
目標設定には分析の能力と統合の能力が、仕事の組織化には分析の能力と真摯さが、動機づけとコミュニケーションには社会的な能力、統合の能力、真摯さが必要とされます。さらに評価測定には、分析の能力が最も必要とされるとしています。
マネージャーに期待されている役割を理解し、その役割を果たすために必要な能力を明確にすることで、闇雲に目標なく努力したりあるいはまったく努力を怠ったりすることを避けることができるようになるのです。
2013/10/15