ここまで、最高の成果を上げるために仕事を組織することについて述べてきた。しかし、それではまだ問題の半分である。最高の成果を上げるためには、人を組織することが必要である。
仕事が一人で行うには大きすぎたり複雑で難しい場合には、連続的かつ機械的に結びつけられた個々の人間ではなく、チームで行う必要がある。ともに働く人は社会的な集団としてのチームを形成する。
したがって最高の仕事を組織するための要件は、社会的な集団とその一体性が仕事に直接貢献するようにすることである。少なくとも両者の衝突を避けることである。
これを実現するにはチームの仕事を、まとまった仕事、独立した段階としての仕事、しかもスキルと判断についてなにがしかの挑戦の要素を含む仕事にする必要がある。そして、個人としての仕事ぶりだけではなく、チームとしての仕事ぶりについても報奨の対象とされる必要がある。
人の仕事をどのようものに設計するのが良いのかについて、要素動作に分解しそれを改善したうえで統合するというやり方を前のセクションまでで述べられました。
次に必要なのは、そのように設計された仕事を、人のチームを構成し割り当てることであるとしています。
チームを構成するとそのチームは社会的な集団となり、構成員は仕事の関係に重ねて、仕事の関係を超えた人間関係を作るため、チームが求めるものと仕事が求めるものを一致させるようにチームの仕事を構成しなくてはならないということです。
つまり、チームには成果を目に見える形で構成したひとかたまりの独立した仕事とともに、自分たちで仕事の手順やスピード、リズムを決める権限を与えることが必要だということです。
また、そうして構成された仕事の結果を報奨の対象とすることによって、構成員一人ひとりの能力と仕事ぶりが、個人とチームの双方の利益と一致するように方向付けされ、最高の仕事へと向かっていくようになると考えたのです。
2013/9/22