CEOの仕事ほど、細心の注意をもって整理しなければならないものはない。CEOの一日も他の人と同じように24時間しかない。彼らもまた、はるかに責任の軽い人たちと同じように、眠ったり休んだりくつろいだりする必要がある。
したがってCEOの仕事は、徹底的に検討して初めて混乱を免れることができる。優先順位を体系的に決めることによってのみ、重要でないことに時間と労力を小出しに浪費して、重要なことをおろそかにすることが避けられる。
いかに多くのCEOが外的な圧力や目前の緊急事態に時間を取られ、労力とエネルギーを浪費しているか。しかし外的な圧力に身を委ねているCEOは、まだましである。少なくとも彼らは、CEOの一部を果たしているからである。
悪い例は、事業全体のマネジメントではなく、特定の部分的機能に時間を浪費しているCEOである。資金調達について検討しなくてはならないときに、顧客をもてなしている。深刻な組織の混乱を顧みずに、機会の図面を修正している。
このようなCEOは、単に本来の仕事を行っていないばかりか、機能別部門の仕事に手を出して、彼らが仕事の成果をあげることを妨げている。自分が専門としてきた馴染みの機能別部門の仕事にかじりつくCEOの数は恐ろしく多い。
前のセクションの例に出てきたように、CEOの仕事は多岐にわたり、それぞれが責任は重く時間はかかるものです。
したがって、それらの仕事をどのようにどんな順番で行うのかを徹底的に考え、計画的に実行するということができなければ、仕事はどんどん混乱してしていきます。
上記の悪い例のように、社長が自分の得意なことばかりに首を突っ込み手を出していると、その現場では人が育たず、成果をあげることもできなくなるのに、そういうCEOが多いことを嘆いています。
「ボトルネックはボトルのトップにある」と言う言葉の通り、CEO自身が成長し変わっていかなければならないということをわかってほしいと願っているのだと思います。
このセクションでは、CEOになってはいけない者を次のように述べています。
「場当たり的な者は、いかに頭脳明晰にして俊敏であろうとも、CEOの仕事は行えない。CEOの仕事は、計画しなければならず、計画に基づいて実行しなければならない。」
2013/7/30