オートメーションの本質は、プロセスの中に組み込まれたコントロールのシステムが、プロセスによって処理できないものを除去し、あるいはプロセス自身を調整することによって、その機能を維持することにある。
機械化はオートメーションそのものではない。オートメーションの結果であって、本質ではない。手形交換所における小切手の仕分けのように、コンベアベルトのない効率的な大量生産の例は多い。押しボタンどころか、自動的な機械さえないオートメーションの例はいくらでもある。
オートメーションでは、技術や機械や装置が、なすべき仕事によって規定される。技術や機械や装置がオートメーションを作るのではない。また、それらのものを使うことがオートメーションであるわけでもない。オートメーションとは仕事の組織化についてのコンセプトである。
したがってオートメーションは、工業生産だけでなく流通や事務の仕事の組織化にも適用される。
オートメーションと聞くと、ほとんど人のいない大きな工場の中で大規模な機械装置が動いていて、次々と製品を作り出すようなものをイメージしてしまいます。
でも、ドラッカーはオートメーションはそれだけではないと言います。
なされるべき仕事が分析され、プロセスとして定義されて、簡単な例外管理によってプロセスが停止してしまうことを防止するような仕組みを持ったものがオートメーションの本質であり、これを理解して初めて効果的にオートメーションを利用することができるとしています。
事務仕事においても、いわゆるマニュアル化などによってルーチン的に処理する仕事などはオートメーションといえるということなのです。
2013/5/19