意思決定の第二の段階は問題の分析である。すなわち問題を分類することである。問題の種類を知らないかぎり意思決定の成果は望みえない。
問題の種類を知るための分類の基準については、既に述べたとおり(第16章)である。それは四つある。時間的要因、影響度、質的要因、反復度である。これらの基準に従い問題を分類することによってのみ、意思決定は眼前の問題や局部の解決に没入することなく事業全体に貢献するものとなる。
問題の理解と分類なくして事実を知ることはできない。問題の理解と分類によってのみ、意味のあるデータ、すなわち事実を知ることができる。
事実を収集するには意思決定に必要な情報は何であるかを問う必要がある。これは機械的な仕事ではない。高度の技術と想像力を要する作業である。
経営管理者は把握すべき事実をすべて手に入れられるわけではない。しかし適切な意思決定を行うために、あらゆる事実を把握することは必ずしも必要ではない。
ただし、意思決定にどれだけの危険が伴うかを判断し、意思決定の結果としての行動にどれだけの厳密さが求められるかを判断するには、いかなる資料が欠落しているかは予め知っておかなければならない。
戦略的な意思決定の第一段階は「問題の理解」で、次の段階が本セクションの「問題の分析」です。
問題の分析はすなわち問題の分類であり、その分類の基準も既に述べられていますから、簡単そうに見えますが、その後の事実を収集する過程で、また問題の分類に舞い戻る必要があったりしますので、一筋縄では行きません。
暫定的に問題を分類しておき、事実を把握していく途中で問題の分類に戻り、また次の事実を把握していくと言うような反復と試行錯誤が必要な作業のようです。
しかも、上記の後段に述べられているように、すべての事実を把握することはほとんどないと思っていた方が良いのです。ただし、その場合にも、集められなかった事実は何なのかを知っておき、欠落している情報が意思決定にどのような影響を及ぼすかを考えておくことが必要だとされています。
これを考えておけば次の段階に進むことができます。
2013/10/22