マネジメントは、生産部門に対し、第一に、いかなる生産システムが最適であるかを知ることを要求しなければならない。第二に、その生産システムの原理を持続的にかつ徹底して適用することを要求しなければならない。
この二つのことは、生産に対する物理的な制約を除去する上で、基本的かつ重大な手順である。この手順を経ずに、より進化した生産システムに進むことはできない。
生産システムを分析し適切に組織化することを怠って次の段階に進んだ例が、プレハブ住宅産業で見られた。規格化した加工済み資材の組み立てによって家屋を建築することは、当然のことのように思われた。しかし実際に第二次大戦の直後に行われた試みは失敗した。
当時家屋の建築は、段階別組織による個別生産ではなく、機能別生産のままになっていた。機能別生産では、加工済み資材による家屋の建築はかえってコストと時間がかかる。
しかし、レヴィッツ社が家屋の建築を作業別段階の個別生産に組織し、規格化した加工済みの資材を使ったところ、コストと時間の大幅な削減が実現された。
ここまで、個別生産、二つの大量生産、プロセス生産という三種類の生産プロセスを見てきました。
生産部門はこれらの生産システムについて、その特徴を理解した上で、自社の生産システムとしてはどれが適当なのかを知っていなければなりません。
上記の例のように、個別生産の原理は段階別作業であることを理解せずに、プレハブ住宅を組み立てようとしても、その効果が出ないということが起きてしまうわけです。
そして、このことは個別生産だけでなく、多様な製品を生産する大量生産産業において特に大きな意味をもつとし、それは、オートメーション化の機会が大きいからだと説明しています。
生産部門は、これらのことを知って、自社の生産システムにその原理を徹底して適用し続けることが責任だということになります。
2013/6/29