個別生産では、製品は自己完結的である。艦船、大型タービン、高層ビル、家屋の建築や町工場におけるバッチ生産も個別生産である。
個別生産の原理は、生産活動をいくつかの同質的な生産段階に組織することである。
個別生産の典型である家屋の建築には、四つの生産段階がある。第一の段階では土を掘り土台にコンクリートを流し込む。第二の段階では骨組みや屋根を組み立てる。第三の段階では壁の内側に配管、配線する。第四の段階では内部の仕上げをする。
このような段階別作業である個別生産は、大工があらゆる大工仕事を行い、配管工があらゆる配管工事を行う機能別生産とは全く異なる生産システムである。
個別生産は機能別技能ではなく段階別作業によって構成される。ある特定の段階の仕事に携わる者は、その段階で必要とされる作業をすべて行う。
三つの生産システムの最初は個別生産です。
一般的に個別生産とは、顧客ごとに個別の仕様に基づいて生産をするなど、多品種で少量の製品を作るような生産システムのことを指します。
どのような製品仕様でもいくつかの段階を踏んで完成するという段階別作業であるとし、機能別生産とは異なるものだとしています。
そのため、それぞれの段階に携わる人は自分の専門能力だけでなく、その作業段階に必要な能力を備えなくてはなりません。
もっとも、その作業段階のすべてを一人が行うとは限らないので、チームで行う場合にはそのチームの中に必要な能力があれば良いということになります。
2013/6/26