ほとんどの経営管理者が、細切れの時間を大量に使って部下の仕事ぶりや資質を評価する。しかし時間を上手に使う経営管理者は、年に一回体系的に部下を評価する。その結果わずかな時間を使うだけで、部下の給与、昇進、配置など判断を擁する意思決定に必要な答えを得る。
彼らは、部下とのコミュニケーションよりも上司とのコミュニケーションに多くの時間をかける。
部下の問題について部下に話しかけることもしない。部下の方から話させる方法を知っている。例えば、年二回の「経営管理者への手紙」に多くの時間をかける。この手紙に部下は自らの仕事の目標と計画を書く。さらには上司の行うことで何が助けになり、何が邪魔になっているかを書く。
彼らは上司の仕事に責任をもつことを経営管理者として自らの仕事とする。その結果、目標やものの見方の混乱から生ずる問題に余計な時間を使わずにすむ。
マネージャーは多岐にわたる仕事のすべてでバランスよく成果を上げることを求められ、それは軽業師的だというほど困難な仕事であると本章の最初に述べられていました。
それでもマネージャーは成果を上げなければなりません。そのためには時間をうまく使うことが必要で、「できる」マネージャーは時間の使い方に長けているとこのセクションで述べています。
この部分は、マネージャー自身のセルフマネジメントに関する記述で、時間管理に関しては「経営者の条件」に詳しく記述されています。
簡単にいうと、細切れ時間の有効活用ではなく、2時間以上の塊の時間を計画的に作って、その時間に重要な活動を割り当てることということになります。
そのためには、何か重要な活動でそれにはどのくらい時間をかけるべきかと言うことをあらかじめ分かっている必要があります。しかし、すべてのマネージャーが最初からそのようなことを分かっているはずがありません。むしろ、上記の最初にあるようにほとんどのマネージャーが分かっていないというのが現実です。
だからこそ、計画と検証によってマネージャーとしての経験を蓄積し自分のノウハウに昇華させていくことが大事なのだろうと思います。
2013/10/17