マネジメントの一角に分類されている者は現場管理者だけではない。専門職も同様にマネジメントに分類されている。しかも専門職自身が、自分たちはマネジメントであると主張する。
あらゆる企業において、今日最も増大している階層が高度の専門職である。例えば第二次世界大戦直後、アメリカには100人以上の研究者を擁する研究所をもつメーカーが75社あった。今日では科学研究に携わる企業研究所は3000にのぼる。
研究者以外にも専門職は着実に増加している。かつて専門職とは工学関係の技術者や化学者を意味した。しかし今日では、多くの地質学者、自然科学者、弁護士、統計学者、公認会計士、心理学者が企業で働いている。
本章では、専門職をいかにマネジメントすべきかということについて論じられています。最初に、専門職の一般的な状況についての記述です。
この著作の当時は上記に書かれているような人たちが専門職として列挙されていますが、ドラッカーは今後さらに専門職の範囲は拡大していくだろうと予測しています。
それは、オートメーションのような新しい技術によって、さらに研究開発のための新しい分野が生み出されたり、マーケティングのための分析に経済学者や数学の専門家が企業に入っていくだろうという内容です。
現在では、さらに情報システム技術者や、建築士、法律家、税理士といった人たちも、専門家として企業の中で働くようになっています。
このような専門家に、どのようにすれば持てる力を発揮して事業の目的に貢献してもらえるかという、「いかにマネジメントすべきか」という悩みが多く寄せられるようになってきたとドラッカーは述べています。
2013/10/11