単位組織には独立した市場がなければならないという条件のために、連邦型組織の適用には一定の限界がある。
例えば、企業が販売すべき製品をもつには、生産活動に責任をもつ部門がいなければならない。しかし、生産のための部門は利益に貢献するにすぎない。生産活動は利益を減ずるコストである。生産コストとはいうが、生産利益とはいわない。
ほとんどあらゆる事業に、それよりも下の規模になると機能別組織によってしか組織できないと言う限界がある。したがって、連邦型組織がいかに優れたものであるとはいえ、適用の限界を認識しておくことが必要である。
前のセクションでも連邦型組織を採用する場合の規模の限界について触れていましたが、独立した市場という仕事上の意味からくる限界について、このセクションで触れています。
シアーズの店舗は連邦型組織として運営されていて、さらに店舗内の売り場主任は、いわば自分の店を経営するように活動することで、独自の市場を作り出しているといえます。
生産部門を独立した市場をもつ組織ということはできないという上記の製造業の例のように、分割できないという限界はあるものの、ドラッカーは「連邦型組織はこれまで一般に適用されてきたよりも、はるかに広範に適用できる」と述べており、自分の組織が本当に連邦型組織を採用することができないのか確認することの重要性を説いています。
2013/8/19