【東洋学研究所】2025年度11月22日(土)公開講演会
【東洋学研究所】2025年度11月22日(土)公開講演会
開催
2025年11月22日(土)14:00~16:00(13:30より開場)
・対面(東洋大学白山キャンパス内)/オンライン(GoogleMeet)
講演者
水口 拓寿(みなくち たくじゅ)先生
(武蔵大学・人文学部教授)
概要
『孔子が「神」になった日―宗教的な面から探る儒教のかたち』
人と人の付き合いを論じるだけが儒教ではない。儒教がまるごと宗教に当てはまるか否かという、一時期流行の議論はさておき、宗教的と言ってよい成分がところどころに見られるのは確かである。
儒教は始まりの段階から、天や祖先に対する崇拝を呼びかけてきたが、やがて創始者の孔子までも神格化をこうむった。中国では儒教が「国教」となって以来、歴代の王朝により孔子が定期的に祭られ、それは日本を含む東アジアの諸地域にも伝わっていった。中国の曲阜孔廟、韓国の成均館文廟、日本の湯島聖堂などは、いずれも過去の権力者が孔子に献げた神殿である。そして、王朝国家や幕藩体制が消え去った後にも、孔子を神として尊んだ者は枚挙にいとまがない。孔子は、なぜ神とされたのか。どのような神として尊ばれたのか。視点を変えて問い直せば、儒教にくみした知識人や、彼らを召し抱えた権力者は、なぜ孔子という神を必要としたのか。儒教のどのような性質を、神と化した孔子によって代表させようとしたのか。こうした問いのもとで歴史をたどってみると、孔子に対する崇拝のあり方が、時代や地域に応じて異なる儒教理論の主流、もしくは儒教と政治的イデオロギーの結び付き方を、敏感に反映するものであり続けたことが分かってくる。
つまり、孔子の神格化という宗教的な面に注意を向けるのは、二千年あまりに及んだ儒教のかたちの変遷と変異を、クリアに把握するための近道なのだ。更にはその延長線上に、儒教の未来を占うことすら可能であろう。
お申込み
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お問い合わせ
東洋学研究所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20 TEL:03-3945-7483 ✉:toyogaku@toyo.jp