東洋思想における心身観
東洋思想における心身観
本研究は、東洋の諸思想において見られる心身観を、生命倫理や環境保全の問題とも対応させて、改めて検討しようとしたものである。概要については当研究所発行の『東洋学研究』別冊「東洋思想における心身観」(平成15年3月30日刊)を参照されたい。以下に、時間的制約から前号に掲載できなかった研究調査活動および研究発表について報告する。
研究調査活動
分担課題「中世仏教文学における心身観」にともなう調査
高城 功夫 研究員
期間 平成15年3月8日〜3月9日
調査地 京都(東山周辺・東寺)
3月8日(土)は専ら東寺の弘法大師空海の遺跡の調査をした。東寺は真言密教の教王護国寺として空海によって設立され、それぞれの堂塔が密教曼荼羅を形成し、その宝物には東密としての歴史が秘められていて、種々学ぶところが多くあった。また今回特に五重塔の内部の拝観で、その塔内の形状や塔心基部の位置などで、空海画像を中心として曼荼羅の形成がされているという発見もあった。
次の日は、東山周辺を中心とした西行遺跡の見学をした。『宝物集』の編纂者の平康頼との関わりで天台の古刹双林寺を調査、西行の墓の伝承を見、西行庵にその音をしのんだ。次に西行の遺跡の1つである長楽寺を見学し、安徳天皇の遺品、建礼門院の剃髪などを考えるための調査をした。そのあと清水寺の方面鳥辺野の霊地を見、小督局の伝承地や供養塔のある清閑寺を調査、高倉天皇の陵を拝み、謡曲の跡地などを調査した。