2025年度井上円了記念助成研究所プロジェクト
「東洋の思想・宗教と環境保護-森林保護と地球温暖化対策をめぐって-」
第1回研究発表会
2025年度井上円了記念助成研究所プロジェクト
「東洋の思想・宗教と環境保護-森林保護と地球温暖化対策をめぐって-」
第1回研究発表会
開催
2025年10月4日(土)14:00開催 於:オンライン(GoogleMeet)
概要
沼田一郎(ぬまた いちろう)
(東洋大学・文学部東洋思想文化学科教授)
テーマ:『実利論』の植物政策
「カウティリヤ作とされる『実利論』(Arthaśāstra)は政治・経済・司法・軍事等の「実学」を主題としている。そこでは哲学や宗教は帝王が社会を統治するための手段でしかなく、人間を含む存在物の輪廻転生や自我の有無も問題にならない。食用の穀物以外の植物も、社会や人間にとっての有用性という視点から扱われる。具体的な種類や名称を同定することは難しいが、古代インドの実用的な植物観を探ってみたい。
小島毅(こじま つよし)
(東京大学・大学院人文社会系研究科教授)
テーマ:伝統中国の治水思想
中国の「くにづくり」伝説の一つに禹王治水がある。禹がみずから全土の河川改修工事を指揮して人間の居住地を作ったという内容で、黄河文明の起源を象徴している。水利は王朝国家存立の基礎であり、さんずいの「治」字が「おさめる」意味に汎用されてきたことにもその重要性が示されている。本報告では森林環境について検討するための準備作業として、伝統中国(traditional China)で水がどのように語られてきたかを紹介する。
曽田長人(そだ たけひと)
(東洋大学・東洋大学経済学部国際経済学科教授)
テーマ:東洋の思想・宗教と環境保護-先行研究の整理と問題の所在
リン・ホワイト・ジュニアの論文「我々の生態学的な危機の歴史的な根源」(1967 年)以来、東西の思想・宗教と環境保護の関わりについて、数多くの文献が著されてきた。本発表では、西洋のキリスト教、東洋のヒンドゥー(バラモン)教、道教(老荘思想)、儒教、仏教、神道と環境や自然との関わりについてどのようなことが語られてきたか整理し、そこからいかなる今日的な問題を汲み取ることができるか、考察する。
お申込み
QRコードを読み込むか、もしくはクリックして、フォームよりお申込みいただけます。【申込期限:2025年9月12日(金) 23:59まで】
お問い合わせ
東洋学研究所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20 TEL:03-3945-7483 ✉:toyogaku@toyo.jp