12月10日研究所プロジェクト「日本、モンゴル、インド、中国における共生的精神文化の諸相」研究発表会

日時:  平成28年12月10日(土)午後3時より

場所:  東洋大学白山キャンパス 6号館2階 6202教室

発表題目および発表者:

原子力発電所と「である」「べきである」の問題

大鹿勝之 客員研究員

鴎外記念館―津和野、そしてベルリン

長島 隆 研究員(東洋大学文学部教授)

発表要旨「原子力発電所と「である」「べきである」の問題」:
「原子力発電所は発展させるべきである」「原子力発電所はやめるべきである」という見解に関して、今回の発表では「である」と「べきである」の関係について検討する。ヒューム(David Hume)は、道徳の体系が、「である」を繋辞とする命題から突然「べきである」を繋辞とする命題ばかりになることを指摘し、「べきである」は新しい関係ないし断定を表わすのだから、その関係が説明され、他の関係からどのようにして演繹されうるのかを説明する必要があると説く。サール(John Rogers Searle)の「である」から「べきである」への導出の議論を受けて、マッキー(John Leslie Mackie)は、制度の内部で語ることによってのみ、「である」から「べきである」の導出が可能であるというが、マッキーの議論に従えば、制度の内部で語るあり方、行動の規則を引き受けるあり方が問題となる。

※東洋大学東洋学研究所では、平成26年度より、山崎甲一研究員を研究代表者とする研究所プロジェクト「日本、モンゴル、インド、中国における共生的精神文化の諸相」が行われています。本研究は、東日本大震災や原子力発電所事故の問題に対峙しながら、これからの生き方や死生観・世界観に架橋していくコトバ・視点を発掘し、点検していくものですが、このたび、研究の一環として研究発表会を開催する運びとなりました。

入場無料・予約不要 皆様のご参会をお待ち申しあげます。

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