2023.12.09|SAT
2023.12.09|SAT
日時:2023 年 12 月 9 日(土)午後 3 時(15:00)開会
プログラム
15:00~15:05 開会の辞
15:05~16:35 講演
明治仏教の公認教運動と 19 世紀フランスの宗教制度 ―藤島了穏の『政教新論』(1899)を中心に―
ベルナット・マルティ・オロバル 先生(早稲田大学政治経済学部准教授)
講演要旨:
本発表では、明治時代の仏教公認教運動への本願寺派の藤島了穏(1852-1918)の貢献に焦点を絞る。藤島は 1883 年から 1889 年にかけてフランスへ留学し、哲学・仏教学を学ぶだけでなく、当時のフランスの宗教制度、つまりコンコルダート制度から大いに着想を得た。1889 年 2 月の大日本帝国憲法の発布により、信教の自由が正式に認められ、それまで黙許されていたキリスト教も法的に承認された。仏教界はこれに対し、フランスの宗教制度に倣った「公認教制度」の設立を政府に求めたが、この試みは失敗に終わった。これは一回公認教運動であり、藤島の帰国とほぼ同時に始まっているが、彼の運動への貢献の程度は不明である。本発表では、この約 10 年後、条約改正の交渉が成立し、外国人の内地雑居の決定を受けて再燃した仏教公認教運動に着目する。この時、藤島は運動に積極的に参加し、その成果を『政教新論』(1899)にまとめた。本発表では『政教新論』の内容を分析する。
フェノロサのカント講義 ライナ・シュルツァ 研究員(東洋大学大情報連携学部准教授)
講演要旨:
金井延や清沢満之の講義ノートにより、1878 年から 1886 年にかけての、初期東京大学でのアーネスト・F・フェノロサの哲学講義を今日十全に把握することができる。西周に次いで、フェノロサは始めに日本に西洋哲学を伝えた最も影響力のある人物として位置づけられる。また、彼の哲学講義は日本におけるカント受容の始まりを特徴づけるものでもあった。本発表ではフェノロサのヘーゲル的なカント読解の特徴を概観する。(講演は英語、和訳資料を配布)
16:35~16:45 休憩
16:45~17:15 質疑応答・ディスカッション
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