12月13日東洋大学東洋学研究所 研究所プロジェクト・パネルディスカッション
日時: 12月13日(土)午後2時より
場所: 東洋大学白山キャンパス 6号館3階 6301教室
プログラム
午後2時~2時30分
研究発表 能楽に見る先祖意識と霊魂観
原田香織 研究員(東洋大学文学部教授)
午後2時30分~3時
研究発表 祖名の継承―家持歌に見る先祖意識―
菊地義裕 研究員(東洋大学文学部教授)
午後3時~3時15分 休憩
午後3時15分~4時 ディスカッション
発表要旨「能楽に見る先祖意識と霊魂観」:
長野県から新潟県にかけて、山岳部における独自の先祖観は『山姥』(新潟県糸魚川市大字上路(市振))や『姥捨』(長野県千曲市と東筑摩郡境の姥捨山)など謡曲にかかわる作品郡に垣間見られるが、そこには老齢の問題と、さらに死後土に帰るという霊魂観や代々家が続いていくという祖霊意識・転生する先祖観が思想として流れている。今回は実際の調査をもとに、墓と信仰の問題、中世文学の死生観およびこの地区の善光寺の極楽浄土志向について取り上げたい。
発表要旨「祖名の継承―家持歌に見る先祖意識―」:
『万葉集』には大伴家持の作として、「陸奥国より金を出だせる詔書を賀く歌」(巻18・4094~4097)、「族を喩す歌」(巻20・4465~4467)が収められている。いずれも大伴氏の氏族伝統を前面に押し出して、大伴氏の先祖の顕彰や氏の伝統の継承を主題にして詠まれた作品である。これらの作品では、子孫は先祖の「名」を絶やしてはならず、その「名」を継ぐべきことがうたわれる。発表では「祖名」の継承の意識を検証し、8世紀中頃の氏における先祖意識を考察する。また、そこから伺われる先祖観の変容に伴う現在的問題を考える。
※東洋大学東洋学研究所では、中里巧研究員を研究代表者とする研究所プロジェクト「日本における先祖観の研究 ―古来の先祖観とその変容―」が平成25年度より3年間の計画で行われています。今回のパネルディスカッションはこのプロジェクトの一環として開催されるものです。
入場無料・予約不要
皆様のご参加をお待ち申しあげます。
お問い合わせ先:東洋大学東洋学研究所 郵便番号112-8606 文京区白山5-28-20
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