1月30日 東洋学研究所 研究所プロジェクト研究発表会・公開講演会

日時: 平成28年1月30日(土)午後2時~3時

場所: 東洋大学白山キャンパス 5号館1階 5104教室

発表題目および発表者:
常州の文人たち
 ――蘇軾と楊萬里を中心に――
坂井 多穂子 研 究 員(東洋大学文学部准教授)

発表要旨:
常州(江蘇省)は蘇州や無錫、また南京からもほど近く、東は太湖、北は長江に面した風光明媚な土地である。清の袁枚や龑自珍、乾隆帝など、常州を愛した人物は少なくない。
本発表では、それよりも早い宋代の文人で、常州にゆかりのある蘇軾と楊萬里をとりあげる。北宋の蘇軾は生涯に十回以上、常州を訪れ、この地に没した。南宋の楊萬里は常州に勤務していた時に重要な文学的転機を迎えた。発表者は昨年九月、常州を訪問する機会を得た。彼らの作品と旧跡から、宋代の文人にとって常州がどのような地であったのかをさぐる。

東洋大学東洋学究所
研究所プロジェクト・公開講演会

川端康成の死生観 ――晩年の「掌の小説」を中心に

森晴雄 先生(川端康成学会常任理事)

日時:  平成28年1月30日(土)午後3時10分~5時

場所:  東洋大学白山キャンパス 5 号館1階 5104 教室

講演要旨:
 川端は若き日(24歳)に未曾有(みぞう)の関東大震災(大正12年)に遭遇し、震災当日より「私程地震の後を見て廻つた者は少いだらう。」と記すように、つぶさに被災地を巡った。
そのような経験を持つ川端が、晩年にどのような死生観を持ったかを、生涯に渡る仕事であり、川端文学読解の鍵である、掌の小説―「雪」「手紙」「不死」「竹の声桃の花」などの晩年の作品―を中心に考えてみたい。
 併せて、掌の小説の魅力にも触れたい。

講演者 森晴雄(もり はるお)先生のプロフィール:
 川端康成学会 常任理事
 元・相模女子大学講師
 著書
  『掌の小説』に関するもの
  川端康成『掌の小説』論―「雨傘」その他
  など全5冊
  作品論集 梶井基次郎「桜の樹の下には」論 その他
  編著 嘉村礒多と尾崎一雄
  主な研究対象 川端康成 室生犀星 梶井基次郎

講演会終了後、東洋大学白山キャンパス4号館1階のカフェ「ステラ」にて、研究交流会を行います。

※東洋大学東洋学研究所では、山崎甲一研究員を研究代表者とする研究所プロジェクト「日本、モンゴル、インド、中国における共生的精神文化の諸相」が平成26年度より3年間の計画で行われています。本研究は、東日本大震災の問題に対峙しながら、これからの生き方や死生観・世界観に架橋していくコトバ・視点を発掘し、点検していくものですが、このたび、本研究所プロジェクトメンバー坂井多穂子研究員の発表による研究発表会、森晴雄先生を講演者にお招きしての公開講演会を開催する運びとなりました。

*入場無料・予約不要 皆様のご参加をお待ち申しあげます。
  お問い合わせ先:東洋大学東洋学研究所
  〒112-8606 文京区白山5-28-20
  Tel 03-3945-7483 fax  03-3945-7483