東洋大学東洋学研究所  研究所プロジェクト・研究発表会(オンライン)

東洋大学東洋学研究所
研究所プロジェクト・研究発表会(オンライン)

日時 :2023年2月25日(土) 午後2時00分(14:00)開会

プログラム
14:00~14:05 開会の辞

14:05~14:55(予定)
村岡典嗣の日本思想史研究と太古時代の国体観
  ―『日本思想史概説』を中心に―
                                     大鹿勝之 客員研究員
  発表要旨
  今回の発表は、村岡典嗣の講義ノートを編纂した『日本思想史概説』(創文社、1961年)に収められた、「日本思想史研究序論」と「日本思想史概説」第一章「国体思想の淵源」より、村岡典嗣の日本思想史研究の方法と、太古時代の国体観を検討する。村岡は、「日本思想史研究序論」において、日本思想史の学問的指向を文献学と歴史学において捉えようとし、「日本思想史概説」では、日本国民の太古意識に求めうるものが、皇国主義をもって呼びうる国体の理念であるとする。この国体観の議論について、村岡の日本思想史研究の方法に照らして考察する。

(10分休憩)

15:05~15:55(予定)
西田幾多郎の行為概念と宗教
                    相楽 勉 研究員

  発表要旨
  西田最初の著作『善の研究』(1911)は宗教的要求に基づく「純粋経験」の体系と見做すことができるが、この体系構想の論理的再構築が以後の西田の哲学的課題となった。「純粋経験」は「自覚」の論理として思索されることになるが、それが体系的見通しの下に集約された著作が『一般者の自覚的体系』(1930)である。この著作において「純粋経験」が「一般者の自己限定」の階層的論理構造として捉え返されている。そして、「絶対無の場所」と呼ばれる宗教的意識がこの体系の基底を成すようにみえる。西田自身は哲学と宗教の立場上の区別を繰り返し強調したが、田邊元がこれを哲学の宗教化と批判したことは有名である。本発表は、この批判の意図を汲みつつも、西田がこのいわば境界領域に触れざるを得ない理由、さらに哲学が宗教を問題にせざるを得ない理由を考えてみたい。その一つの鍵がこの著作の後半に浮上してくる行為概念である。

15:55 閉会の辞(16:00終了予定)

※2021年度より、本研究所の研究所プロジェクトとして、相楽勉研究員を研究代表者とする研究「西洋思想の受容と日本思想の展開 ―キリシタン時代と明治期以後―」が進められています。この研究の一環として、今回研究発表会を開催する運びとなりました。どうぞふるってご参会ください。

ご案内PDF 20230225

○本研究発表会は、オンライン(Zoom)にて行います。参加費無料ですが、申し込みが必要です。

○申し込み方法:toyogakuアットマーク(@を入れてください)toyo.jp宛てに2023年2月24日までにメールをお送りください。メール本文には、「名前」「住所」「電話番号」を記載して下さい。折り返しZoomURL、パスコードをお送りします。

○お問い合わせ先 東洋大学東洋学研究所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20 
電話番号03-3945-7483