東洋大学東洋学研究所2022年度第4回研究発表例会(オンライン)

2023年1月21日(土) 午後2時(14:00)開会(オンライン)

14:00~14:05 開会の辞 (原田香織 東洋学研究所長)

 

14:05~14:45

世真宗史料の僧夫婦に見る法脈と継承

―特に『三河念仏相承日記』と上宮寺周辺史料の坊守の記述を中心にー

板敷 真純 客員研究員

 発表要旨

真宗では道場主の妻を「坊守」と呼び、中世では多くの坊守たちの活動が見られる。そしてその活動は特に道場主没後に表れ、道場の保持など多岐にわたった。もともと先行研究では、十四世紀以降の道場主の妻はほとんど史料に見られないと言われてきた。しかし真宗史料の中には、論究されていないだけで主体的に活動する中世の坊守の姿が見られる。

本研究では『三河念仏相承日記』や上宮寺周辺史料を用いて、三河地方の坊守の動向について論究を行う。これにより日本仏教史における女性の活動の一端を明らかにすることが出来ると考える。

 

14:50~15:30

新羅華厳文献所引の『華厳五教章』テキスト

佐藤 厚 客員研究員

発表要旨

  『華厳五教章』のテキストには日本で流通した和本、中国で流通した宋本があり、①題目、②章の構成、③語句が違っている。現在の学説では、当初は和本型であり後に宋本型に変化したというが、疑問点も残る。この問題を解明すべく発表者は引用された『五章教』の文に着目して研究を進めている。本発表では新羅の華厳文献に引用された『五章教』に注目し、現行テキストとの比較を通して見えてくるものを明らかにする。

 

15:35~16:15

『マハーバーラタ』第12巻「ラージャダルマ篇」とダルマ文献の関連

沼田 一郎 研究員

発表要旨

  古代インドの法典(ダルマ)文献はアーリヤ人の生活・職務規定(ダルマ)を主内容とするが、『マヌ法典』以降は、特に王のダルマすなわち「ラージャ・ダルマ」が重視される。また、『マハーバーラタ』は全編にわたって王族、武人の生き方(クシャトラ・ダルマ)を扱うほか、第12巻に「ラージャ・ダルマ」を標題とするセクションがあり、このトピックに関する法典と『マハーバーラタ』の文献学的な研究が進められている。G.Bühler、原実、山崎元一、P.Olivelle、井狩彌介等の研究を概観して、今後の見通しを探りたい。

 

16:15~16:20 閉会の辞 

○本研究発表例会は、オンライン(Zoom)にて行います。参加費無料ですが、申し込みが必要です。

○申し込み方法:toyogaku※toyo.jp(アルファベットはすべて半角、※を@に変換)宛てに1月20日(金) までにメールでお申し込み下さい。メール本文には、「お名前」「ご住所」「電話番号」を記載して下さい。折り返しZoomURL、パスコードをお送りします。

○お問い合わせ先: 東洋大学東洋学研究所  〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20   電話番号:03-3945-7483