2024年11月2日(土)第5回研究発表例会
2024年11月2日(土)第5回研究発表例会
大鹿 勝之 客員研究員 15:05~
紀平正美の人格と歴史および国家に関する議論 ―『自我論』と『行の哲学』を中心に―
本発表では紀平正美(きひらただよし、1874-1949)の『自我論』と『行の哲学』を中心に、紀平の日本精神の議論に至る過程を考察する。『自我論』の後編第3章「歴史と人格」において、紀平は、国家は人格の由って存在する根本義を明らかにするところのものであるという。そこには、『行の哲学』における、国家を「当為の現実的有」とするところに通じる共通点が見られる。そこで、『自我論』と『行の哲学』にみられる、人格と歴史および国家との関係の議論を検討し、その特色を紀平の日本精神の議論に照らして考察してみたい。
隈元 正樹 客員研究員 15:55~
ある地方小教団の成立展開―宇宙神道惟神道産土会の場合―
本発表で取り上げる宇宙神道惟神道産土会は、島根県の山中にあり、大本の教えを背景として、先の大戦終戦直後に成立した新宗教である。これまで注目された新宗教の多くは都市型で高度経済成長期にかけて大規模化したが、本教団は地方で、それほど組織化されることもなく展開した。本教団のユニークな成立展開を跡付けるとともに、これまでの新宗教研究においてどのように位置づけられるか考えたい。