東洋大学東洋学研究所 12月19日 研究発表例会
東洋大学東洋学研究所 12月19日 研究発表例会
日時:12月19日(土)午後3時より
場所:東洋大学白山キャンパス 6号館2階 6217教室
密教における殺と降伏
藤井 明 院生研究員
インド密教における五護陀羅尼の展開
園田沙弥佳 院生研究員
発表要旨「密教における殺と降伏」:
『初会金剛頂経』の第二「降三世品」において、異教―ここでは大自在天(ヒンドゥー教のシヴァ神)―を自派に引き入れる思想と「殺」という行為は不可分であり、それは降伏行為との関連の中で現れている。『初会金剛頂経』のサンスクリット文中において大自在天は明確にmṛta(死んでしまった)と述べられ、仏教内で避けられる「殺」の思想を見ることが出来る。本来仏教内で避けられるべき「殺」という行為を仏教的に昇華するいくつかの「合理化」の方法とその思想的背景を検討する。
発表要旨「インド密教における五護陀羅尼の展開」:
五護陀羅尼とは、『大随求陀羅尼』、『守護大千国土経』、『孔雀王呪経』、『大寒林陀羅尼』、『大護明陀羅尼』の5種の陀羅尼経典が一つのグループとして集められたものである。陀羅尼とは、密教において除災等の現世利益的な役割が期待された、いわゆる呪文の一種である。五護陀羅尼の各経典はそれぞれ別個に成立したと考えられ、様々な現世利益について説かれている。この5つの陀羅尼経典は、後にそれぞれ5尊の女神として神格化され、成就法やマンダラが説かれるようになり、信仰の対象となった。本発表では五護陀羅尼の信仰の展開について述べる。
*入場無料 予約不要
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