2005年に帰国してから早いもので5年経ちました。5年前に日本のバイクの免許証を更新したのですが、それが切れます。免許証の更新は日本に帰らないとできません。それで今月に日本に帰るつもりをしていたのですが、飛行機の切符が取れませんでした。僕の誕生日は8月1日で、この日までの一ヶ月間に日本のバイクの免許の切り替えをしようと思っていたのです。しかし、コロンビアの免許証は日本でも使えるので帰国を来年の3月に延ばすことにしました。飛行機の切符代もその方が安いと思います。
この1ヶ月はサッカーのワールド・カップばかりを見てました。日本に住んでいた頃には一度も見たことは無かったのですが、2002年にエル・サルバドールで初めて見ました。それから4年後の2006年にはコロンビアにいて、いずれも2~3回見ただけなのですが、今年はほぼ1ヶ月にわたって毎日ほど見ました。明日はウルグアイ対ドイツの三位決定戦が、そして明後日にはスペイン対オランダの決勝戦があります。もちろん見るつもりです。
フサの教会-1
6月1日から窓の修理をしてもらっています。こちらの家の殆んど全てが窓に鉄条網が張り巡らされています。したがって窓は家の外側に開かず、すべて家の内側に開くように設計されています。そうなると雨水は家の中に入りがちになります。我が家には珍しく鉄条網が張られていないのですが、窓はやはり室内に向けて開くように設計されています。強い吹き降りの日には、窓にタオルなどを当てて雨水の浸入を防止する必要がありました。それを防止するため窓の外にプラスティックのカーテンを取り付け、雨水の浸入を防止しました。夜中、寝ている間に強い雨が降ればダメですが、それ以外はこのカーテンで雨水の浸入を防ぐことができていました。しかし、これでは長い間家を留守にすることができません。雨水だけのためならカーテンで窓を閉めたまま家を留守にすることができますが、この国では家を何日も留守にすると泥棒が入ります。日本に行くのに誰かに家に泊まってもらうことにしても、我々の部屋には鍵を掛けておこうと思ってました。そうすると我々の部屋のカーテンは3ヶ月間開けられることはありません。ちょっと問題かなあ、と思っていたら、付けてから2年弱経ったカーテンが日光で劣化して破れてきま?た。仕方がないので、日本の窓のように外側に開くように改造することにした訳です。窓を良く見ると、木で作られた窓枠が一部腐っているではありませんか?塗装もきちんとされていないことが分かりました。それで塗装してもらうことにしました。簡単だと思っていたんですが思ったより大変でした。2階の窓の外に梯子を掛けて、古い塗装を落とす作業から始まり、新しい塗装のため新聞紙で硝子を覆いました。ここまでは業者がやってくれました。合計三回の塗装が終わると新聞紙を剥がし、硝子に付いた塗料を剥がさなければなりませんでした。これは僕の仕事になりました。あっという間に一ヶ月が経ちました。一応窓の塗装が終わったのですが、腐っていた窓の補修はこれからです。
こちらでは労働賃金は安くて一日2,000円位です。この窓の塗装には23人日の人件費と、7つの窓を外に開くように改造してもらい、その内側には網戸を取り付けてもらいました。そして9つの窓の上下には雨水浸入防止の桟を付けてもらいました。これで訳6万円は、やはりコロンビア、日本よりもずっと安いと思います。しかし、こちらの労働者は日本人のようには働きません。最初の2週間は毎日来ましたが、後の2週間は何の連絡もなしに仕事に来ませんでした。でもお金を取ることには熱心で、訳1ヶ月に5回も支払いをしました。毎週1回払ったことになります。
フサの教会-2(Mariaの母親のLolaと姉の旦那のCarlos)
また、こちらの労働者は工具を殆んど持っていません。金槌、鋸、釘抜き等なんでも揃えておく必要があるように思います。一応我が家には道具が揃っているので問題がありませんが、工具のない家ではどうなるのか心配になります。これは、この国の良いところかもしれませんが、労働者には珈琲を出すくらいで良さそうです。日本では昼飯を出すようなことを聞いたことがあります。そうなると、日本では亭主は殆んど仕事場に行っていますから、工事をする家に残された妻には大変負担が掛かることになります。その経費も無視できません。しかし、この国では必要ありませんし、先にも書いたように一日2,000円程度の労賃を払えば済むので、家の建設や修理費用はそんなに問題になりません。そうは言っても、食堂の料理価格やスーパーマーケットの各種製品の販売価格は日本とあまり変わらないので、この国の低級賃金労働者の生活は大変だと思います。とにかくこの国は日本と違って給料格差が大きすぎるのです。給料と言えば、給料に換わる年金をもらい始めて1年9ヶ月経ちます。60才からもらい始めたので支給額は25%少なくて、10万円を少し切っています。日本では、家賃を払ってこの金額で暮らすのは無理だと思いますが、一切の贅沢を避ければこの国では何とかやっていけます。コロンビアでは年金でゆっくり暮らしています。年金の掛け金を満額払ってきたのに、それで暮らせない日本は実に酷い国だと思います。実はこの10万円弱の支給額には、コロンビア政府に取られている1万円ほどが除かれているのです。実際は11万円の支給額なのです。去年、日本が自民党から民主党に変わった時に、コロンビア政府に取られている1万円を減額してもらえるように、コロンビアのボゴタに住んでいる他の日本人2人と日本政府に要望書を出しました。つい最近、その手続きが来年の3月に出来そうだと聞きました。できなければ、11万円の内の1割をコロンビア政府に取られるのは嫌なので、年金をコロンビアで受け取る手続きを止めようと思っています。年金は日本の銀行口座に入金してもらっているので、コロンビアとは元々関係なかったのです。今年になって、日本での長年の飲み友達の田中さんに、無料で電話ができるSkypeのことをメールで告げました。驚いたことに彼はSkypeの会員だと言うではありませんか。僕の兄弟姉妹には勧めて入ってもらったのですが、友達では彼一人です。彼は70才。パソコンが本当にみんなの道具になってきたのだと思います。彼としゃべっていてパソコンにビデオ・カメラを付ければ顔を見ながらしゃべれると聞いたので、早速1000円で一番安いカメラを買いました。パソコンのお陰で本当に便利になりました。友達の顔を見ながら1時間でも無料でしゃべれる。僕が25才の頃メキシコに旅行して、職場にいる田中さんに受取人払いの電話をしたことがあります。旅行から帰って来て聞くと、彼はその2~3分位の短い電話に当時で3000円位払ったと言ってました。インターネットは開発当時、ほぼアメリカ合衆国政府に取られるところを、ある人がその前に無料で世界に公開したと本で読みました。ビル・ゲーツもこの人のようにしていたなら、世界中の人々がもっと安く情報を交換できたのにと思うと残念でなりません。