東洋大学東洋学研究所

オンライン研究発表例会

 

日時: 令和2年12月19日(土)午後2時00分より

場所: オンラインリモート(Zoom)発表会(運営 東洋学研究所)

14:00~17:20予定

開 会 の辞  14:00~14:05       東洋学研究所 所長     渡辺 章悟

研 究 発 表     (14:05~ 17:15)

14:05~14:45
真宗における妻の役割とその変遷―真宗史料に見る「坊守」の活動を中心に―
板敷真純 院生研究員

(発表要旨)
 今日、念仏者の妻は道場主とともに道場を守るという意味で「坊守」と呼ばれており、親鸞の妻、恵信尼はその嚆矢と見られている。
「坊守」という言葉の出現には道場主の妻の役割が重視されるようになったことが背景にあったと考えられる。しかし彼女らが初期真宗においてどのような役割を担っていたのかについては必ずしも明確になっていない。
この問題を解明するため、初期真宗における道場主の妻の活動等について検討し日本仏教史における女性の役割の一端を論じる。

(10分休憩)
14:55~15:35
無形の聖人―王陽明の聖人観―
志村敦弘 奨励研究員

(発表要旨)
儒教では、孟子以降、伝説の聖王である堯・舜・禹、殷王朝の創始者湯王、周王朝の始祖文王・武王、その奠定者である周公旦、儒教の創始者孔子を「聖人」として格別の崇敬をささげてきた。
今回取り上げる中国・明の思想家、王陽明もその流れに連なる。しかしその聖人像はどのようなものであったか。
本発表は王陽明の聖人像を、その思想全体における位置をも考慮しつつ、「無形」「簡易」というキーワードで探る試みとなる。

(10分休憩)
15:45~16:25
『釈摩訶衍論』の成立と武則天 ―新羅華厳との関係の再考―
関 悠倫 客員研究員

(発表要旨)
 『釈摩訶衍論』は『大乗起信論』の注釈でありながら、他の注釈書とは異なる思想や特徴を説く全一〇巻からなる大部な論書である。成立について謎が多く、従来、朝鮮成立説が支持されてきたのだが同地にその痕跡がほとんど確認できないという難点がある。
筆者は、武則天との関係を注目することにより新たな知見を呈示したい。すなわち、成立地は中国という従来説を支持しながら作者は朝鮮出身者であるという可能性を呈示したい。

(10分休憩)
16:35~17:15
『明呪大妃大寒林経十萬註』における2種の『大寒林陀羅尼』について
園田沙弥佳 客員研究員

(発表要旨)
 カルマヴァジュラ著『明呪大妃大寒林経十萬註』は、五護陀羅尼に含まれる『大寒林陀羅尼』の注釈書である。
『大寒林陀羅尼』と見なされる経典は『聖持大杖陀羅尼』と『大寒林経』という2種類のチベット語訳経典の存在が確認されている。両者はチベット大蔵経においてそれぞれ別個に収録されている一方、注釈書では2種の経典が併せて扱われている。
本発表では2種の『大寒林陀羅尼』の位置づけと、その特色について明らかにする

 

閉会の辞  17:15~17:20          東洋学研究所 所長     渡辺 章悟


○本研究発表例会は、オンライン(Zoom)にて行います。参加費無料ですが、申し込みが必要です。

○申し込み方法:toyogaku@toyo.jp宛てに12月12日までにメールをお送りください。メール本文には、「名前」「住所」「電話番号」を記載して下さい。

○折り返しZoomURL、パスコードをお送りします。

○お問い合わせ先 東洋大学東洋学研究所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20  電話番号 03-3945-7483

HP: https://www.toyo.ac.jp/research/labo_center/toyogaku/

Twitter: https://twitter.com/beVAkpnlytNTvlL/status/1309777995452751872

 

2020年12月19日研究発表例会ご案内 [PDFファイル]