2020年11月28日 東洋大学東洋学研究所 研究発表例会

東洋大学東洋学研究所

オンライン研究発表例会

 

日時: 令和2年11月28日(土)午後1時40分より

場所: オンラインリモート(Zoom)発表会(運営 東洋学研究所)

13:40~17:50予定

開 会 の辞  13:45          東洋学研究所 所長     渡辺 章悟

研 究 発 表     (13:45~ 17:45)

13:45~14:25
井上円了の海外視察ノートについて
出野尚紀 客員研究員

(発表要旨)
 井上円了が1902年11月15日から翌年7月27日までおこなった第2回海外視察には、メモと日記を4月2日分まで記したノートが東洋大学井上円了記念博物館に所蔵されている。
しかし、まだこのノートは判読されていない。
『西航日録』のもととなったこの手稿について、絵葉書の発送記録や河口慧海との再会などのポイントで、記載内容に加えてその当時の周囲の状況を総合的に発表することで、円了がなにに着目してノートに記載したのかを考察する。

(10分休憩)
14:35~15:15
新型コロナ禍における―新宗教教団における模索を中心に―
隈元正樹 客員研究員

(発表要旨)
 宗教にとって「集まること」は本質的に重要である。今春以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの宗教で集まることが困難となった。
日本においては、緊急事態宣言下の4、5月から「感染第二波」の夏にかけ、多くの祭、葬儀や法事、行事が中止・縮小されたが、秋以降、ウィズコロナの模索が本格化している。
今後の見通しも不透明だが、現代宗教の展開に多大なインパクトを与えることは間違いない。
本発表では、新宗教教団を中心に現状を整理する。

(10分休憩)
15:25~16:05
『法華玄賛』にみる定業・不定業と悔愧の関係について
水谷香奈 客員研究員

(発表要旨)
 定業は自分の行為(業)の中で、諸仏菩薩などであっても行為者が受ける結果を覆せないものであり、不定業は一定の要件を満たせば結果を受けなくなるものを指す。
悪業の報いからの救済を考えるとき、定業・不定業の区別は重要になるが、中国法相宗の基(窺基)は『法華玄賛』において、定業・不定業は「悔愧の心」の有無で決まり、阿羅漢のような聖者でもそれは変わらないと説く。
本発表では基の主張やその思想的背景を検討しつつ、懐感『釈浄土群疑論』との比較も試み、両者の救済観を比較してみたい。

(10分休憩)
16:15~16:55
梵文『維摩経』の偈頌について①
梅田愛子 院生研究員

(発表要旨)
 1999年、大正大学総合仏教研究所の文献調査隊によって発見された『維摩経』サンスクリット写本には、第1章に15偈、第7章に42偈の偈頌がある。
これらの偈頌について、岩松浅夫氏による論文や、西康友・逢坂雄美両氏によるWord Indexの附録に韻律を解析したものがあるが、本格的な韻律や文法についての研究は、あまり為されていないのが現状である。
そこで本発表では、まず第1章にある15偈について、韻律解析やその特色を考察したい。

(10分休憩)
17:05~17:45(英語による発表、和訳付き)
Nishitani and NIhilism. The Institution of a History.
西谷とニヒリズム。ある歴史の成立
Paolo Livieri(パオロ・リヴィエリ) 客員研究員

(発表要旨)
In the 20th Century, Nihilism has been deemed a problem to Japanese culture. Nishitani Keiji (1900-1990) claimed that, while being a Western bearing, is to be overcome by Japanese Buddhist heritage.
This talk calls into question whether "context," "geography" and even "culture" are suitable notions with which to understand Nihilism and its impact.
I will briefly track the history of Nihilism and analyze the possibility of overcoming it.
20世紀においては、ニヒリズムが日本文化に関わる問題と見なされていた。西谷啓治(1900~1990)によれば、ニヒリズムは西洋から来たもので、日本仏教の伝統によって超克されるべきものであった。
今回の発表は「コンテキスト」、「地理」、そして「文化」までもがニヒリズムとそのインパクトを理解するのに適切であるかどうか論じる。
発表においては、ニヒリズムの歴史を概略し、その超克の可能性を論じる予定である。

閉会の辞  17:45~17:50         東洋学研究所 研究員     岩井 昌悟

 

○本研究発表例会は、オンライン(Zoom)にて行います。参加費無料ですが、申し込みが必要です。

○申し込み方法:toyogaku@toyo.jp宛てに11月20日までにメールをお送りください。メール本文には、「名前」「住所」「電話番号」を記載して下さい。

○折り返しZoomURL、パスコードをお送りします。

○お問い合わせ先 東洋大学東洋学研究所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20  電話番号 03-3945-7483

HP: https://www.toyo.ac.jp/research/labo_center/toyogaku/

Twitter: https://twitter.com/beVAkpnlytNTvlL/status/1309777995452751872

 

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