2019年12月14日 東洋大学東洋学研究所 公開講演会
2019年12月
東洋大学東洋学研究所
公開講演会
主催:東洋大学東洋学研究所
講演題目および講演者:
初期仏教研究におけるパーリ語文献の重要性
榎本文雄 先生(大阪大学名誉教授)
日時: 令和元年12月14日(土)午後3時(15:00)より
場所: 東洋大学白山キャンパス 6号館3階 6317教室
講演要旨:
初期のインド仏教(原始仏教)の研究は、従来は主にパーリ語聖典に依っていたが、近年、サンスクリットをはじめパーリ語以外のインドアーリヤ諸語で書かれた研究資料が続々と発見されている。写本の書写年代の古さの点で、それら新資料は概ねパーリ語文献に勝り、特にガンダーラ語資料は遥かに凌駕する。しかし、それら新資料をパーリ語文献と精密に比較検討すると、かえってパーリ語文献の重要性が再認識される場合がある。
講演者 榎本文雄先生
略歴:
1954年、和歌山県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)
京都大学文学部助手、華頂短期大学助教授、大阪大学大学院文学研究科教授を経て、現在、大阪大学名誉教授。
主要業績
著書:
○Sanskrit-Texte aus dem buddhistischen Kanon: Neuentdeckungen und Neueditionen, 1, Göttingen 1989(共著)
○『不殺生(アヒンサー)の動機・理由――インド仏教文献を主資料として――』龍谷大学現代インド研究センター(RINDAS)2013年
○『ブッダゴーサの著作に至るパーリ文献の五位七十五法対応語 ― 仏教用語の現代基準訳語集および定義的用例集
─ バウッダコーシャⅢ』山喜房佛書林、2014年(編著代表)
○『スッタニパータ[釈尊のことば]全現代語訳』講談社学術文庫、2015年(共著)
論文:
○「āsrava について」『印度學佛教學研究』27巻1号、1978, pp.158f.
○「「四聖諦」の原意とインド仏教における「聖」」『印度哲学仏教学』24, 2009, pp. 336-354
○「初期仏教における涅槃――無我説と関連して――」『佛教研究』40, 2012, pp.149-160
※講演会終了後、研究交流会(懇親会)を8号館地下1階伝説の三丁目食堂にて行います。
※定員100名 入場無料・予約不要 皆様のご参会をお待ち申し上げます。
お問い合わせ先:東洋大学東洋学研究所(東洋大学白山校舎2号館5階)
〒112-8606 文京区白山5-28-20
℡ 03-3945-7483 fax 03-3945-7483
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