【東洋学研究所】2025年度第2回研究発表例会
【東洋学研究所】2025年度第2回研究発表例会
開催
2025年7月19日(土)14:00開催 於:オンライン(GoogleMeet)
概要
発表1
『「廃仏毀釈」「神仏分離」「神仏習合」を問い直す』
林 淳(はやし まこと) 客員研究員
明治元年の神仏混淆を廃止した法令において「廃仏毀釈」「神仏分離」「神仏習合」の語はいずれも用いられていなかった。この三つの語はどのような経緯で使われるようになったのか。その背景と歴史的な文脈を検討する。明治30年代に村上専精、鷲尾順敬が仏教史学という新しい学問分野を立ち上げたが、その頃から三つの語が使われ出し、明治初年の宗教史を説明する語としてアカデミズムで使用され認知されるようになった。
発表2
『エマニュエル=トッドの文明批判と現代日本社会の霊性』
中里 巧(なかざと さとし) 客員研究員
エマニュエル=トッド(Emmanuel Todd 1951-)は、著作『西洋の敗北』などで、西ヨーロッパやアメリカの衰退を指摘して、その原因としてキリスト教の道徳的意義の衰退があると云い、「宗教ゾンビ」・「宗教ゼロ」といった言葉を使って、宗教的ニヒリズムについて語り、道徳的意義の再生の必要を訴えている。トッドの視点から、現代日本の霊性について、高橋信次(1927-1976)・中川昌蔵(1914-2002)・佐藤愛子(1923-)を主に取り上げて、日本における宗教的ニヒリズムの様相や葛藤について考察する。
発表3
『華厳・毘盧遮那仏の説法について』
竹村 牧男(たけむら まきお) 客員研究員
『華厳経』は、釈尊が成道を果たして毘盧遮那仏となり、成道後の第二七日に説かれた経典であるとされる。しかし華厳宗(『五教章』)では、毘盧遮那仏を融三世間十身具足の仏と見なし、「因分可説・果分不可説」の立場をとって、その自内証の世界は説けないと明かしている。同時に毘盧遮那仏は、海印三昧において説法するとあったり、三世間を尽くして説法するとあったりする。そこで、『華厳経』の毘盧遮那仏の「果分不可説」とは実際にどういうことなのか、解明したい。
お申込み
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