【東洋学研究所】2023年12月9日(土) 第4回研究発表例会
【東洋学研究所】2023年12月9日(土) 第4回研究発表例会
開催
2023年12月9日(土) 15:00開催 オンライン(Google Meet)
プログラム
●15:05~ 澤田彰宏 客員研究員
ヒンドゥー教の法話バーガヴァタ・カター ― ヴリンダーヴァンのチャイタニヤ派ゴースワーミー師の事例から ―
インド文化にはカターと呼ばれる語り物の伝統があるが、これは語り手が聴衆に対してさまざまな物語を聞かせる実践である。現在、インドの人口の8割を占めるヒンドゥー教徒の間では多数の宗教法話としてのカターが行われている。本発表では、ヒンドゥー教のクリシュナ神を祀る寺院のブラーフマン(バラモン)司祭が実践するカターのひとつ「バーガヴァタ・カター Bhāgavata kathā」について取り上げる。これは会場を設営し、ブラーフマン司祭が演台に座り、数十名ときには数百名に及ぶ聴衆に向かってクリシュナ神の神話を語るものである。このカターでは最初と最後にはクリシュナ神への儀礼が行われ、語りの伴奏として音楽も多数演奏され、そして通常7日間連続で行われる。
本発表では、これまであまり注目されてこなかったブラーフマン司祭によるヒンドゥー教寺院外での宗教実践であるバーガヴァタ・カターについて、北インドのクリシュナ神の聖地ヴリンダーヴァンVrindāvanaでの現地調査で得られた資料を用いて報告する。
●15:55~ 板敷真純 奨励研究員
中世真宗史料に窺える僧の妻の活動と後世の評価-特に上宮寺如順尼を中心に-
真宗では僧の妻を「坊守」と呼び、中世では多くの坊守たちの活動が見られる。そしてその活動は道場の保持など多岐にわたった。その嚆矢は親鸞(1173-1263)の妻の恵信尼(1182-?)にあり、現在では彼女が坊守の手本とされている。このような僧の妻の主体的活動は、管見の限り真宗のみにしか見られないものである。
本研究では上宮寺周辺史料を用いて、上宮寺如順尼・如慶尼親子の動向と役割について論究を行う。これにより寺院の代表とその継承において、女性たちがどのような役割を担ったのか、その一端を明らかにすることが出来ると考える。
お申込み
お問い合わせ
東洋学研究所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20 TEL:03-3945-7483 ✉:toyogaku@toyo.jp