2018.07.03|TUE
2018.07.03|TUE
日時: 7月7日(土)午前11時より
◆ 研究発表例会(11時05分~15時10分予定)
◆ 大型研究公開講座(15時20分~16時20分予定)
場所: 東洋大学白山キャンパス 5号館1階 5104教室
◆ 研究発表例会(11時05分~15時10分予定)
正岡子規と中川四明―新聞『日本』誌上の交流―
根本文子 院生研究員
発表要旨:中川四明は、子規の日本派を標榜する初期の俳句結社、京阪俳友満月会を立ち上げて近代俳句の黎明期を支えた人物である。また四明が霞城山人譯で明治22年11月4日から6回にわたって新聞『日本』に掲載した「美術家」は、子規の「俳諧大要」との関係が推察される。二人は新聞『日本』の記者として先輩後輩の関係でもある。今回の発表は「小日本」も含め、新聞『日本』」誌上に於ける二人の交流を明らかにし、近代俳句の隆盛に奔走する子規と四明を考察す
<休憩 (12時05分~13時00分)>
江戸時代におけるインド哲学研究―『金七十論』をめぐる諸問題―
興津香織 客員研究員
発表要旨: サーンキヤ哲学の根本テキスト、サーンキヤ・カーリカーの漢訳注釈書である『金七十論』に対する注釈書の存在が日本に於いて確認されるのは、江戸時代、元禄十年(1697)の単行出版後二百年ほどの間のみである。その注釈書調査では、散逸したものを含めて二十六点、作者は十七名に上ることが判明し、作者には「天明の三哲」と称される真言宗豊山派の智幢法住や林常快道など当時の大学匠が名を連ね、当時の仏教界への影響は無視できないものがあったと考えられる。なぜ、この時代に学僧たちはインド哲学研究に駆り立てられたのだろうか。
『死霊解脱物語聞書』の基礎研究―増上寺三十六世祐天誕生の背景に着目して―
愛宕邦康 客員研究員
発表要旨: 浄土宗の祐天が村娘に憑依した怨霊を得脱させる著名な怪談「かさねヶ淵」は、下総国で実際にあったとされる憑霊事件が題材であり、その詳細は残寿撰『死霊解脱物語聞書』によって窺い知ることが可能となる。しかし、これまで本研究をリードして来たのは仏教学を除く諸分野の研究者であり、仏教学、別けても浄土宗学の視座を欠いていたため、首を傾げざるを得ない解釈が散見されるのも事実とせねばなるまい。今回は浄土宗学の視点から『死霊解脱物語聞書』の研究方法について取り上げる
◆ 大型研究公開講座(15時20分~16時20分予定)
媽(ま)祖(そ)崇拝の北限をたどる―東アジア海域世界における信仰圏の拡大
菊地章太 研究員
講義要旨: 媽祖は海を生活の場として暮らす人々が崇めた女神である。その信仰は宋代に中国南部の福建の島でめばえ、つづく元代に観音と習合して信仰圏を拡大させた。明代になると道教の神々の系列に加えられ、福建人の海外移住にともなって東アジアの海域世界に伝播するにいたる。その北限は日本列島において求めることができよう。ここでは多くの映像をもとに、媽祖の崇拝が諸宗教や民間信仰と融合していく足跡をたどってみたい。
※東洋大学東洋学研究所では、相楽勉研究所長を研究代表者とする、井上円了記念研究助成「大型研究特別支援助成」による研究「日本文化の背景となる仏教文化の研究」が平成29年度より2年間の計画で行われています。このたび東洋学研究所では本プロジェクトにおきまして、公開講座を定例の研究発表例会と同日開催で開催することになりました。
入場無料・予約不要
皆様のご参会をお待ち申しあげます。
お問い合わせ先 東洋大学東洋学研究所 電話/ファクス 03-3945-7483