粒子のブラウン運動によって、粒子は濃度の高い領域から低い領域に向かって拡散する。その現象をブラウン拡散と呼ぶ。その時の拡散係数をブラウン拡散係数と呼ぶ。粒子のブラウン拡散係数Dは、
で与えられる1)。ここに、Ccはカニンガムの補正係数、kはボルツマン定数、Tは温度、ηは気体の粘度、dpは粒子直径である。
クヌーセン数 Kn <0.01の連続領域では、Ccは1であり粒子ブラウン拡散係数Dは粒子径dpの-1乗にほぼ比例する。0.01≦Kn≦10の遷移領域では、Ccがdpの-1乗にほぼ比例することから、 ブラウン拡散係数Dは粒子径dpの-2乗にほぼ比例する。以上の関係性から、ブラウン拡散は、粒子径が小さいほど激しくなることがわかる。
参考文献
1) 湯 晋一、乱流拡散、粉体工学会誌、Vol. 21、169-178、1984.
(関西大学・岡田芳樹) 2022年4月20日更新 ★