乱流拡散
Dispersion in turbulent flow
静止した流体中において、流体を構成する分子から受けるランダムな力によって粒子が拡散する現象をブラウン拡散と呼ぶ。一方、乱流状態の流体中において、時間、空間的にランダムに変動する流速の影響で粒子が拡散する現象を乱流拡散と呼ぶ1)。
燃焼器内での粉末や液滴燃料の拡散、流動層での触媒の混合、雲が形成される過程での雨粒の成長、花粉や黄砂の大気拡散など、多くの状況下で乱流拡散が起こっている2)。
多くの例において、乱流流体中の粒子拡散は、乱流が存在しない時の拡散よりも大きいことが知られている。
参考文献
1) 湯 晋一、乱流拡散、粉体工学会誌、Vol.21、169-178、1984
2) 牛島達夫、乱流中での微小な粒子・液滴・気泡の混合・拡散について、ながれ、Vol. 23、191-201、2004.
(関西大学・岡田芳樹) 2022年4月20日更新 ★