ピエゾ振動素子の固有振動数が振動素子上に捕集された粒子の質量によって変化することを利用した質量計測法。ピエゾバランス法とも称する。国内では浮遊粒子状物質SPM(粒径10μm以上の粒子を100%カットしたエアロゾル)の環境基準測定法のひとつとなっている。
厚みせん断モードで振動しているAT型の振動素子において次式が成り立つ。
ここでfは素子の振動数[MHz]、ΔMは素子の質量変化[μg]、Δfは素子の質量変化に対する周波数変化[Hz]、Nは周波数定数[MHz・cm]、Pqは素子の密度[g/cm3]、Adは堆積物が素子を覆う面積[g/cm2]、cfは質量感度定数[Hz/μg]である。
エアロゾルの質量濃度を測定するにはサンプルエアーを一定量QでΔt時間吸引し、エアロゾルを素子
表面に堆積させ、周波数変化Δfを求める。この時の平均濃度Cは次式に示される。Eは粒子捕集効率である。
参考文献
日本エアロゾル学会(編)、エアロゾル学の基礎、199、森北出版株式会社、2003.
功刀 正行、浮遊粒子状物質の測定法における諸問題、大気汚染学会誌、25(6)、355~370、1990.
(東京ダイレック株式会社・濱 尚矢、藤野 聡) 2022年3月31日 ★