インパクターとは、(多孔)ノズルから捕集板に向かってエアロゾルを通過させ、慣性力によって粒子を捕集板に沈着させるもの。このインパクターが多段に直列したものをカスケードインパクターと呼ぶ。各段のノズル径を変化させることで異なる粒子径の粒子を各捕集板に沈着させることができる。一般的には0.5μmから20μmの粒子を対象にサイズ分け(分級)することできる。
また低圧吸引を行うことで0.1μmまで分級域を広げることができる。これを低圧インパクターと呼ぶ。最近では、各段に電流計を設置し、粒子の帯電量をリアルタイムで計測することで短時間での粒径分布を測定することが出来る電子式の低圧インパクターも市販化されている。上記の製品に高温(180℃)環境下からのサンプリングを可能にしたモデルや、高分解能(最高500チャンネル)モデルも発売された。
(DEKATI社ELPI+マニュアルより)
ノズルから吹き出す粒子の慣性衝突による捕集効率についてはRanz-Wongの式を基としてで求めることが出来る。
参考文献
日本エアロゾル学会(編)、エアロゾル学の基礎、199、森北出版株式会社、2003.
DEKATI社(Finland), Dekati® ELPI+™ User Manual ver 1.50, 99, 2015
(東京ダイレック株式会社・濱 尚矢、岩佐 高宏) 2022年3月31日 ★