一般的に測定対象粒子の帯電状態は未知であることが多く、粒子の帯電状態を調整する目的で中和器が使用される。粒子発生器等から発生直後の粒子は多価に帯電していることがあり、中和器に通すことで粒子にイオンを衝突させ電離作用を促し、平衡帯電状態に促進させる。中和器はDMAと一緒に使用したり、中和器単体で使用することもある。
中和器内部にはイオンを発生するイオン源があり、主に放射性同位元素(RI:Radioisotope)、軟X線源又はコロナ放電装置等がある。またRIにはα線源の241Am や210Po、β線源の85Krや64Niがあり、国により規制等が異なることから使用されるRIも異なる。日本では主にAm-241が使われることが多い。RIの半減期は核種によって大きく異なることから注意が必要である。
参考文献
日本エアロゾル学会(編)、エアロゾル学の基礎、111、森北出版株式会社、2011.
(東京ダイレック株式会社・濱 尚矢、船戸 浩二) 2022年3月31日 ★