エアロゾル計測装置や捕集装置を使用するに当たって、環境中から採取されたエアロゾルサンプルを元の状態を変えることなく吸引・輸送し、捕集・計測できるかが重要となってくる。これらは粒子の通過率を求めることである程度把握できる。粒子の通過率は装置もしくはチューブ・管のインレット効率とインレットから装置内部の捕集部及び検出部までの輸送効率がファクターとなる。インレット効率では吸引するガスの流速や方向、インレットプローブの方位、インレットサイズなどにより影響される。また、輸送効率は沈降、衝突、慣性、拡散、帯電状態などによる粒子のロスが影響される。
サンプルインレットでの粒子ロスを少なくするには、プローブの方位、流速をガスの流れに合わせた等速吸引(isokinetic sampling)が望ましい。プローブとガス流れの方位や流速が異なる非等速吸引(Anisokinetic sampling)では、慣性力の大きな粒子はインレット付近のガスの非直線的な流れに乗らず、計測される粒径分布や濃度に誤差が生じる。
参考文献
Kulkarni et al (ed), Aerosol transport in sampling lines and inlet, Aerosol Measurement -Principles, Techniques, and Applications (3rd edition) -, 69-105 , A John Wiley & Sons. Inc. Publication, 2011
Hinds, William C., Aerosol Technology (2nd edition), 206-209, John Wiley & Sons, New York, 1998
(東京ダイレック株式会社・濱 尚矢、藤井 俊樹) 2022年3月31日 ★