石炭を利用した発電の高効率化を目的として,加圧流動層燃焼複合発電,石炭ガス化複合発電,石炭ガス化燃料電池複合発電などが検討されている。これらの発電機器は高温で作動することから,高温ガスに適用可能な高温集塵技術が必要となっている。サイクロン,電気集塵装置,粒子充填層フィルタ,粒子焼結フィルタ,セラミックフィルタなどが候補として考えられているが,高温によるガス粘性の増大や圧力損失の増加などの問題がある。また,電気集塵装置を適用する場合,高温下ではガス密度が低すぎて放電開始からすぐスパークに至り安定した電圧電流特性が得られず集塵が困難である。そのため加圧流動層などの高温高圧排ガスへの利用が検討されている。高温集塵技術に関しては現在のところ解決すべき課題が多い。
(参考文献)
金岡千嘉男,牧野尚夫(編著),はじめての集じん技術,pp.170-177,日刊工業新聞社,2013.
金岡千嘉男,高温集塵に関する最近の研究,エアロゾル研究,20(1),5—11,2005.
(大阪公立大学・黒木智之) 2022年4月13日 ★