大気エアロゾルの消散係数a ext の波長依存性を調べると、波長λのべき乗Aに反比例する形
ここで、Nが粒子数密度、Cγ が定数、γがJungeの指数である。粒径と波長の関係を示す粒径パラメータ x = 2πr /λと、4.4光散乱「消散係数」式(2)を用いて式変形すると、消散係数は次式のように表される。
ここで
式(1)と式(3)を比較すると、
となる。一般的な大気エアロゾルの粒径分布を考慮した場合、可視の波長帯領域において、サブミクロン以上の粒子が消散係数の値に与える寄与率は、60 %から90%になる。よって、粒径分布がJungeの指数測を満たすならば、式(5)の関係が現実大気でも成立するケースは多い。オングストーム指数AおよびJunge指数γは、相対的に微小粒子が増加すると値は大きくなり、逆に粗大粒子が増加すると値は小さくなるという粒径分布の特徴を示している。
(参考文献)
Angstrom, A., 1929: On the atmospheric transmission of sun radiation and on dust in the air, Geogr. Ann., 2, 156-166.
Junge, C., 1955: The size distribution and aging of natural aerosols as determined from electrical and optical data on the atmosphere, J. Meteor., 12, 13-15.
(京都大学・矢吹正教) 2016年4月30日 ★