粘性流体が管内を流れるとき,管の内面が流体に摩擦力を及ぼす。この摩擦により流体は流れる間にエネルギーを失うことになる。この失われるエネルギーを一般的に摩擦損失と呼ぶ。しかし,実際にはこの摩擦損失は圧力の減少Δp [Pa]を計測するので,このΔpを用いて圧力損失と呼んでいる。また,土木工学などでは圧力損失を流体の密度と重力加速度で割って,水頭の減少Δh として表わし,これを損失水頭と呼んでいる。
圧力損失が大きいことは摩擦によるエネルギー損失が大きいことを意味しており,工業装置を設計する場合はできるだけ圧力損失を小さくする工夫が必要である。
参考文献
八田 四郎次,前田 四郎,化学工学概論,34-62, 共立出版、1966.
(群馬大学・原野 安土) 2016年5月2日 ★