50%捕集径
cut off diameter of 50% collection
インパクターなどのカットオフ径のことで、50%の効率で捕集される粒子径として定義される。これはカスケードインパクター各段のカットオフとしても使用される。またこの時のストークス数をStk50という。50%捕集径は以下のように求める。
ここで、μ=空気の粘性係数(kg/m・s)、W=ノズル直径(m)、Cc=カニンガムのスリップ補正係数、ρp=エアロゾルの密度(kg/m3)、V=ノズル通過時の流速(m/s)。
50%捕集径は粒子を加速させるノズルの直径、サンプル流量、ノズルと捕集板の距離に依存する。50%捕集径より粒径の大きい全ての粒子が慣性衝突によりインパクターで捕集され、逆に粒径の小さい全ての粒子がインパクターを通過することが理想的である。但し、粒子の再飛散の影響により粗大な粒子の一部は本来捕集されるインパクターで捕集されずに通過することがある。粒子の再飛散を防止する目的でインパクター捕集板上に薄くグリースを塗布することが望ましい。一方で微小な粒子の一部は拡散による影響で本来通過するインパクタ手前で捕集される。これらのことからインパクタの捕集効率は一般的にS字型の効率曲線となる。
参考文献
日本エアロゾル学会(編)、エアロゾル学の基礎、199、森北出版株式会社、2003.
Dekati社, ELPI+ USER MANUAL, 2015
(東京ダイレック株式会社・濱 尚矢、船戸 浩二) 2022年3月31日