捕集フィルターを用いたエアロゾル粒子の捕捉は、粒子の採取に最も用いられる方法である。フィルターの種類には石英、PTFE(テフロン)※ 、ニュークリポアなどがある。
・石英フィルターは有機質、金属等のコンタミネーション(不純物)が極めて少ないので、各種エアロゾルの化学組成分析を高い精度で行うことが出来る。また、圧力損失が低く優れた捕集効率を兼ね備えている。
・PTFE(テフロン )※フィルターはガス吸着が少なく膜自身の質量が小さいため、精度の高い質量濃度計測が可能である。気体や有機溶媒のろ過に最適。耐熱や薬品耐性に優れており苛酷な環境におけるエアーモニタリングやサンプリングに対応できる。
※PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、テフロンはデュポン社の商標名
・ニュークリポアフィルターはポリカーボネートフィルムに均一な孔をエッチングしたもの。孔径より小さな粒子の捕集効率はメンブレンフィルターなどに比べて低いが、表面が滑らかなことから捕集粒子のSEM観察などに多く用いられる。
参考文献
日本エアロゾル学会(編)、エアロゾル学の基礎、195、森北出版株式会社、2003.
(東京ダイレック株式会社・濱 尚矢、藤野 聡) 2022年3月31日 ※