エアフィルターやインパクターなどによる粒子の捕集具合を示すもの。フィルターの場合はフィルター効率ともいう。フィルターの捕集効率は慣性、拡散、重力、さえぎりなどのファクターで決定される。
以下にフィルターの捕集効率のファクターと捕集メカニズムの概要を示す。
1. さえぎり(interception):
気流に乗っている粒子がフィルター繊維から粒子半径よりも近い位置を通る際に繊維と接触し捕集される。
2. 慣性衝突(inertial impaction):
フィルター繊維近傍で急に曲がる気流に乗り切らない粒子がそのまま繊維に衝突し捕集される。
3. 拡散(diffusion):
フィルター繊維近傍の粒子がブラウン運動によって繊維に接触し捕集される。粒径が小さいほど拡散による捕集効率は高くなる。
4. 重力沈降(gravitational settling):
重力沈降による粒子捕集は粒径が大きい程、またガス流速が小さいほど大きくなる。
5. 静電気(electrostatic attraction)
粒子またはフィルタ繊維、および両方が帯電している場合、静電気力によって引力が生じ粒子が捕集される。
参考文献
日本エアロゾル学会(編)、エアロゾル用語集、エアフィルタ、216-217、京都大学学術出版会、2004.
Hinds, William C., Aerosol Technology (2nd edition), 191-200, John Wiley & Sons, New York, 1998
(東京ダイレック株式会社・濱 尚矢、藤井 俊樹) 2022年3月31日 ★