問題集:音響の計画と制御

クッション性の高い床は、軽衝撃の下階への伝達を抑制するが、重衝撃の伝達の抑制には効果が低い。

答え:〇

クッション性の高い柔らかめな床は、ペンやスプーンなどを落とした時の衝撃は吸収できますが、重いものを落とした衝撃や歩いた時の衝撃は吸収しきれません。

音を反射しやすい材料で囲まれた空間で、音の反射が繰り返される現象はフラッターエコー(鳴き龍)と呼ばれている。

答え:〇

トンネル内やコンクリート打ちっぱなしの部屋のように、音を反射しやすい表面で作られた空間では、声が反響し続けます。この連続した反響はフラッターエコー(鳴き龍)と呼ばれています。

コインシデンス効果は、「直接音」と「短い遅れ時間の反射音」の干渉によって、音色の変化等が知覚される現象をいう。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:×

「直接音」と「短い遅れ時間の反射音」の干渉により音色の変化などが知覚される現象は、カラレーション(coloration)と呼ばれています。フラッターエコーが生じるような環境で、カラレーションも生じやすいです。

室容積が同じ場合、一般に、西洋音楽のためのコンサートホールとオペラハウスとで、最適残響時間を同じとする。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:×

最適残響時間は、室容積が同じ場合であっても、その空間の目的により異なります。音楽鑑賞を目的とした空間の場合は比較的長い残響時間とします。他方、歌詞を聞き取れることも求められるオペラハウスの場合、比較的短い残響時間とします。

学校の普通教室においては、平均吸音率が0.1程度となるように吸音対策を施すことが望ましい。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:×

教室においては言葉を明瞭に聞き取る必要があるため、吸音率は0.2程度以上とします。

コンサートホール等の最適残響時間として推奨される値は、一般に、室容積が大きくなるほど短くなる。(2018年一級建築士試験問題改変)

答え:×

コンサートホール等の最適残響時間と推奨される値は、一般に、室容積が大きくなるほど長くなります。音楽を中心とする室の場合は長めの最適残響時間、言葉を中心とする室の場合は短めの最適残響時間が推奨されます。