音環境・音響設備
温熱環境を整えるために断熱材や空調設備が設けられ、光環境を整えるために照明設備や窓が設けられるのと比べると、音環境を整えるために設けられる設備は多くはありません。
その一方で、住環境のトラブルで多いのは、集合住宅で隣家に生活音が伝わってしまうことや、道路工事の騒音や交通騒音によるストレスなど、日常生活を送るうえで音環境のトラブルはとても多いです。
目を閉じることができます。耳を閉じることはできません。
「見たい方向について、見たい時だけ見る」と、視覚は取り込む情報を選ぶことができます。
「起きてる時も寝ているときも、全方位から情報を収集する」というのが聴覚の特徴です。入ってこようとする情報を、まずは受け取るのが聴覚の基本的なスタンスのようです。聴覚においては、「気にしない」というのは難しいのかもしれません。
音環境の良し悪しを検討するには、音環境を定量的に評価することが必要です。
また、私たちには音環境を検出するセンサが備わっています。
音環境を定量的に評価する方法や、私たちが音環境を検出しているセンサ(耳)について紹介します。
音は光と似ていて、波のような振る舞いをします。
波は、広がるし、弱くなるし、はね返ります。
音も似たような振る舞いを示すのです。
隣の部屋でオンライン会議をしている声が聞こえてくることがあるかもしれません。
壁があるのに、なぜ、何を話しているかわかるほどはっきり聞こえてしまうのでしょうか。
なぜ音が筒抜けるのか、どうしたらそれを防ぐことができるのか、吸音や遮音の基本的な考え方を見ていきます。
コンサートホールと教室では、建物に必要とされる音響の性能は大きく違いそうです。
理想的な音響環境を具体的な数値で表すことができたら、設計しやすくなりそうです。