音響
建物の音についての性能はどのように評価すると都合が良さそうでしょうか。
教室の音についての性能としては、教員の声がはっきり聞こえることが重要そうです。
コンサートホールの場合、どのような指標で考えると建物の目的をうまく表現できるでしょうか?
暑さ・寒さをまずは温湿度で評価するように、建物の音環境もまずはある一つの指標で考えていきます。
音響
建物と音の関係は、建物と光の関係に近いです。
光を外から取り入れるかどうかを考える際に考慮するのは、反射です。音も反射します。
内部に取り入れる光の量を考えると、窓ガラスでの吸収を加味します。音も建材に吸収されます。
窓を通過した光の量を考えるときには、光の透過量を考えます。音でも透過した量を考えます。
残響時間
音を反射させ吸収させ反対側に透過させることで作ってきた音環境ですが、それらの工夫をすることによりどのような効果を得られるのでしょうか。
そんな音環境の評価指標として用いられているのが残響時間です。
残響時間は、一定の状態で音を発し続けた後でその音を停止し、100万分の1に低下するまでの時間を指標として用いたものです。
100万分の1というとずいぶん小さくするように聞こえます。
60dB下がるまでの時間と言われると、まぁ測れるかと感じてしまいそうです。
100万分の1になることと60dB下がることは実は同じ意味です。
残響時間の計算式
残響時間を算出する式には、3種類の式があります。
Sabinの式は、これらのうちでもっとも古く、最も簡単です。ただその分荒いところもあり、主に自宅や教室など低吸音室を対象としています。
Eyringの式は、高吸音室においてSabinの式と実測との間に生じる差の改善を図るために作られた指標です。
Eyring-Knudsenの式は、大空間の残響時間の評価を行うために開発されています。