給水の問題
給水には圧力が必要です。
圧力が生じるところでは、問題が生じやすいです。
給水においても圧力が大きな問題を生み出してしまいます。
給水の経路では高い水質を維持するために様々な工夫が取り入れられています。
劣化しにくく、材料のうちの一部の成分が水に溶解しにくく、伸縮性があり、耐薬品性もある、といった材料がどんどん開発されてきています。
ただ、やはり給水で問題となるのは、圧力と水質です。
ウォーターハンマー(水撃作用)
ウォーターハンマーとは、水圧の急激な変化により、配管をハンマーでたたいたような大きな音が鳴る現象のことです。
どんなところで、水圧がハンマーでたたいたような力に代わってしまうのでしょうか?
実は、ウォーターハンマーは、シャワーの栓を一気に閉めることによっても生じる可能性はあります。
シャワーに供給される水の水圧が不十分な場合、水はチョロチョロとしか出ず、とても不便で不快です。
シャワーヘッドの水圧が弱いのは、それはそれで大きな問題ではありますが、逆にシャワーヘッドに供給される水の水圧が強すぎるのも大きな問題を引き起こします。
チョロチョロとしか水の出ていない水圧の低いシャワーと、水がすごい勢いで噴出している水圧の高いシャワーの栓をそれぞれ一気に止めてみましょう。
すると、もともと水圧の低かったほうの給水栓にはやや低めの圧力が生じます。
もともと水圧が低かったので、一気に給水栓が閉まっても、あまり大きな変化は生じません。
その一方で、もともと水圧の高かったほうの給水栓にはとても高い圧力が生じます。
給水栓の付近で生じた高い圧力は、配管にぶつかり、あたかも配管をハンマーで殴っているかのような音を出したりガタガタ振動が生じたりします。
クロスコネクション
クロスコネクションは、給水の基本中の基本である水質を悪化させてしまう非常に大きな問題です。
クロスコネクションを、井戸を持つ住宅を例に考えてみます。
敷地内に井戸があれば、もちろん井戸を使おうと思います。
ただ、井戸をそのまま飲料水として給水するのはちょっと心配なので、トイレの排水のみに使用することとします。
飲料水としては、配水管からの消毒されたキレイな上水を用いようと思います。
上水は、洗面台やお風呂に使うことにします。
飲料水に使わない井戸水が流れる給水の経路と、飲料水に使う上水の流れる給水の経路は別れてはいます。
別れてはいますが、住宅内では床下や壁の中に配管が入り乱れています。
施工時には、入り乱れる配管のそれぞれを区別しながら延長して、接続して、つなぎ合わせていきます。
つなぎ合わせのミスがクロスコネクションです。
接続したくない配管通しを接続してしまった状態がクロスコネクションです。