問題集:給水設備の設計

受水槽の材質として、木を使用しても良い。(2016年一級建築士試験問題改変)

答え 

FRPやステンレス鋼板に加え、木も受水槽の材質として使用することができます。スギ、ヒバ、ヒノキなどが用いられます。木は、断熱性能が高いのに加え、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性にも優れています。

飲食施設を設けない中小規模の事務所ビルの給水設計において、使用水量の比率を、飲料水30%、雑用水70%とした。(2016年一級建築士試験問題改変)

答え 

一般の事務所ビルの使用水量は、飲料水が30~40%、雑用水が60~70%です。

給湯用ボイラは、常に缶水が新鮮な補給水と入れ替わるため、空気調和設備用温水ボイラに比べて腐食しにくい。(2016年一級建築士試験問題改変)

答え ×

水道水中の塩素により給湯用ボイラの配管はさびやすくなります。なお、缶水とは、ボイラ配管内を流れる水のことです。空気調和設備用の閉回路であればpHをアルカリ性側に偏らせることで水道水中の塩素による缶体(配管のことです)の腐食を抑制することができます。

高置水槽給水方式において、高置水槽の低水位から最も低い位置のシャワーヘッドまでの高さを、70kPaの最低圧力を確保するよう設定した。(2014年一級建築士試験問題改変)

答え ×

高置水槽給水方式の場合、もっとも水圧が弱くなるのは、高置水槽とシャワーヘッドの間の位置エネルギーの差が最も小さい部分となり、最上階の最も高い位置のシャワーヘッドとなります。そのため、最も位置エネルギーの差が大きく水圧が強くなる最も低い位置のシャワーヘッドまでの高さを基準にすると、それより上の階の水圧は最低圧力を満たせなくなってしまいます。

事務所ビルにおける在勤者一人当たりの設計用の一日給水量を40Lと想定した。(2012年一級建築士試験問題改変)

答え ×

事務所ビルにおける在勤者一人当たりの設計用の一日給水量は、およそ60~100Lです。

上水と中水は飲料として使うことができるが、井水を飲料とするには事前の検査が必要である。

答え ×

中水は雑用水や排水・雨水を再利用した水で、飲料とすることはできません。井水は、水質検査の結果が問題なければ飲料水としても使用可能です。

設計用給水量には、一日最大予想給水量、時間平均予想給水量、時間最大予想給水量、ピーク時予想給水量、瞬間最大予想給水量がある。

解答:〇

解説:これらの予想給水量は、建物の使用目的や使用時間、使用人数等に基づいて算出され、適切な給水設備の設計や運用を行うための基準となる。

一日最大予想給水量は、ピーク時の1時間における最大の予想給水量を示す。

解答:×

解説:一日最大予想給水量は、1日における最大の予想給水量を示す。ピーク時の1時間における最大の予想給水量は、時間最大予想給水量という。

住宅、事務所、飲食店での水の使用量は、時間帯により大きく変動する。

解答:〇

解説:特に、住宅では朝と夜、事務所では昼間の業務時間、飲食店では昼夜の食事時間帯に水の使用量が増えることが一般的である。

揚程は、ポンプが水を吸い上げ、あるいは押し上げるために必要なエネルギーのことである。

解答:〇

解説:揚程は、ポンプが水を吸い上げ、あるいは押し上げるために必要なエネルギー、つまり高さを表す。揚程が大きいほど、ポンプが必要とするエネルギーも大きくなる。

設計用給水量は、一日最大予想給水量に比べて、時間最大予想給水量の方が大きい場合がある。

解答:×

解説:設計用給水量は一日の中での予想される給水量の最大値を示すため、一日最大予想給水量が時間最大予想給水量を上回ることはありません。