照明器具台数の計算

教室の天井を見上げれば、照明器具が設置されています。

どんな機種を何台設置すればほしい照度を得られるのでしょうか?

必要な照明器具の台数は、ざっくりと計算で求めることができます。

その計算式を眺めてみると、室内の光環境に影響を及ぼす要素が見えてきます。

照明器具台数の計算

照明器具台数を決める要素は何?

照明器具の台数をざっくり決める要素には、いったい何が含まれているのでしょうか。

照明器具の発することのできる明るさは入っていそうです。

部屋が広いほどたくさんの照明が必要でしょうから、広さもありそうです。

必要とする照度も関係しそうです。

あとは…なんでしょう?

照明器具台数を決める要素『欲しい照度』

まず関係しているのが、ほしい照度です。

必要とする照度が高ければ高いほど、必要となる照明器具の台数は増えていきます。

照明器具台数を決める要素『部屋の広さ』

次に、照明の個数を増やす要素としては、部屋の広さです。

照明が点光源や線光源であり、距離に反比例してエネルギーが散っていくことから、部屋が広いほど照明器具の台数が多く必要になることは当然ですね。

照明器具台数を決める要素『光束』

照明器具が発する光束が強ければ強いほど、必要とする照明器具の台数は少なくなります。

ろうそくで部屋を明るくするには何十本もろうそくが必要かもしれませんが、ろうそくより多くの光束を発することのできる懐中電灯であれ数個で済むかもしれません。さらに懐中電灯より多くの光束を発することのできるLED照明であれば一つで十分足りそうです。

照明器具台数を決める要素『照明率』

ちょっと聞きなれない言葉が出てきました。

照明率は、照明器具から発せられた光が対称面に届く割合のことで、以下のような要素に基づいて求めることができます。

  • 部屋の形状:天井が低く、長細い平面(壁が近い平面)であるほど照明率は高くなり、必要な照明器具の数は少なくなります。

  • 照明器具の形:配光曲線が対称面に向いているほど、照明率は高くなり、必要な照明器具の数は少なくなります。

  • 部屋の壁や床、天井の反射率:反射率が高いほど照明率は高くなり、必要な照明器具の数は少なくなります。

照明器具台数を決める要素『保守率』

保守率は、メンテナンスに関する値で、ランプそのものやランプの背後の反射板の汚れがよく落とされているほど必要な照明器具の数は少なくなります。

照明器具台数を決める要素

まとめると、照明器具の台数を決める要素は以下の5つです。

  1. 欲しい照度:明るいほど必要な台数は多くなります。

  2. 部屋の広さ:広いほど必要な台数は多くなります。

  3. 光束:明るいほど必要な台数は少なくなります。

  4. 照明率:対称面に光が届きやすいほど必要な台数は少なくなります。

  5. 保守率:きれいに維持されているほど必要な台数は少なくなります。

照明器具台数を決める要素のための要素

ちなみに、照明率を決めるための要素の一つに、部屋の形状がありました。

部屋の形状は、室指数と呼ばれる指標にまとめられています。

室指数は以下の式で算出されます。

具体的に考えてみます。

まず簡単なのは高さです。高さの値が小さいほど室指数は大きくなります。

次に、縦と横の長さの関係について(高さHを無視して)考えてみます。

縦と横が1:1の場合、(1×1)/(1+1)=1/2(0.50)です。

縦と横が1:2の場合、(1×2)/(1+2)=2/3(0.67)です。

縦と横が1:3の場合、(1×3)/(1+3)=3/4(0.75)です。

縦と横が1:4の場合、(1×4)/(1+4)=4/5(0.80)です。

つまり、部屋が細長くなっていくほど室指数は高くなり、照明率が高くなり、必要な照明器具の台数は少なくなるのです。

具体的に考えていくと、イメージしやすいですね。